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ばあちゃんとの暮らし
振り返って見ると、私が一番やりたかった事は家族とじっくり向き合う事。
ばあちゃんと暮らすことは何よりもそんな時間でした。この歳でそんなことをするなんてやっぱり変わり者Uターンです。
おばあちゃんと住むことを了解してくれた妻に、支え続けてくれた両親と姉に、普段なかなか伝えられないけどほんとうに感謝しています。
信濃毎日新聞でジャズシンガーの綾戸智恵さんが自身の介護経験について触れていました。
「たまたま人間には情と言うものがあり、介護は人間の性(さが)と考えるか、人間ならではの特権と考えるのか。。。世の中は、「介護をするべきだ」と言いすぎている気がします。それぞれの家族の在り方があり、どう対処するかは、それぞれの形でいいと思います。」
正直に書くと私はおばあちゃんといっぱい喧嘩しました。畑のやり方、家のリフォームの時、おばあちゃんの大事な日に友人を呼んでしまった時。などなど。今思うと、私が幼く申し訳なかったです。
私たち家族は、世間にどう思われるかではなく、それぞれができる事をして協力しあいました。
大事なことはなかなか聞き辛いですが、どんな最後を迎えたいのかを聞くこと。私は5年くらいかかりました。普段は忘れてしまいますが、死ぬことと生きることは反対だけど等しいということを学びました。そして3年前、祖母を家族みんなで看取りました。93歳でした。
大町のデイサービスで働かせてもらった時、お年寄りの”自己決定”が大切だと教わりました。簡単なことではないけれど、私たちなりにそれを実行できました。やりたかったことは他にあったけど人間欲張ると上手く行きませんね。
薪ストーブの導入で喧嘩したこと。でもばあちゃんが一番よく薪ストーブを使ってくれた事笑。一緒にダイコンの種を蒔いた時の空と山の感じ。停電で帰った時に一人寂しそうにしてたばあちゃん。ろうそくに照らされたばあちゃんはホラーだった笑。晩年まで朝早くから雪かきしていた姿。などなど時々思い出します。そして記憶にしっかりと残っているのは祖母の暮らしのリズム。
・朝起きたらお仏壇に行って家族の健康と幸せを祈る事。
・春夏秋は畑に行き作物を作り皆に配る事。
これを人生のほぼ最後までやり遂げた祖母をほんとうに尊敬しています。見習って行きたいと思います。
祖母との暮らしがあったので、今林業に全うできていると感じています。遠回りはしたけれど、林業は他の業界に比べてとてもスパンが長いです。祖母を始め地域のお年寄りの話を多く聞かせて頂いたことは、今後の林業人生にプラスに働くと思っています。
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